出産準備の一環として、産前にやっておかなければならない入院準備。初めてのお産を控えている方の中には、「病院から指定されたものだけで大丈夫?」「ほかにも何か用意した方がいいのかな?」と不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、今回は筆者が出産時に用意した陣痛バッグ&入院バッグの中身を紹介します。最後に入院準備チェックリストも用意してみたので、ぜひ参考にしてみてください。
陣痛バッグと入院バッグはいつまでに準備するの?
正期産(妊娠37週0日〜妊娠41週6日)に入るといつお産が始まるかわからないので、余裕をもって臨月(妊娠36週以降)に入る前には準備を済ませておきましょう。
取り掛かる時期は人それぞれですが、荷造りを始めるのは入院の説明を受けてからがベスト。入院先に必要なものが一式そろっている可能性があるので、病院で用意してもらえるものを確認してから、足りないものを調達すると無駄がありません。
わたしは妊娠7カ月頃に入院に関する説明を受けたので、妊娠8カ月頃から準備を始めました。
陣痛バッグと入院バッグは分ける?分けない?
陣痛バッグと入院バッグ(+退院バッグ)を分けるかどうかは人それぞれですが、個人的には分けるのがおすすめです。
理由は主に2つあり、まず1つ目は、荷物を取り出しやすくするため。「陣痛中に使うもの」と「産後に使うもの」が混在していると、荷物を探したり取り出したりするのに手間取ってしまいますが、使うシーンごとに荷物が分けられていれば、その心配がありません。1つのバッグに詰める荷物を少なくすることより、一目で中身を把握できるようになるので、自分で荷物を取り出せないときもパパや助産師さんにお願いしやすくなります。
2つ目は、移動の負担を減らすため。荷物をひとまとめにすると結構な量になりますが、陣痛中に使うものだけであれば、そこまで多くありません。1人で病院へ向かうこともあるので、荷物は軽いに越したことはありませんし、お産の進み具合によっては入院せずに帰宅することもあるので、陣痛バッグは独立させておいた方が何かと都合がいいと思います。
とはいえ、荷物が少なかったり、計画無痛分娩や予定帝王切開で入院日が決まったりしている場合は、わざわざ荷物を分ける必要もないかと思うので、そのときの状況に応じて分けるか分けないかを検討してみてください。
荷物を詰めるバッグは、中身を取り出しやすいように開口部の大きいものがおすすめ。大部屋を希望している場合は使えるスペースが限られている可能性があるので、開いたときに場所を取るキャリーケースは避けた方がいいかもしれません。
あって良かったものはこれ!陣痛バッグと入院バッグの中身
バッグの中身を紹介する前に、まずは入院時にもらった「お産セット」の中身と、そのほか病院で用意してもらえたものを紹介します(青字は入院中に使用しなかったもの)。
入院に必要なものは一式そろっていたので、持参したのは病院から指定されたものと上記に無いもので「出産時にあると便利」と評判だったアイテムのみ。大きめのトートバッグを2つ用意しましたが、陣痛バッグ・入院バッグともに、すべての荷物を入れてもまだ少し余裕があるくらいの量でした。
産後すぐに授乳が始まるので、パジャマは前開きタイプがおすすめ。病院で用意されていたのは、前開きのセパレートタイプでした。
陣痛バッグの中身
陣痛バッグの中身は以下のとおり。
赤字は病院から指定された持ち物、青字は使用しなかったものです。
各アイテムのポイントを簡単に解説していきます。
入院手続きに必要なもの
まず忘れてはならないのが、入院手続きに必要な書類や身分証明書など。わたしがお世話になった病院では、以下のものが指定されていました。
- 入院の同意書と保証書
- 診察券
- 健康保険証(またはマイナンバーカード)
- 母子健康手帳
- 印鑑
- 筆記用具
- 出産手当金支給申請書(対象者のみ)
普段持ち歩いているものもあると思うので、直前で入れ忘れないように注意しましょう。
最後に挙げた「出産手当金支給申請書」は、健康保険組合のホームページでダウンロードできるケースが多いです(勤務先で用意してくれる場合もあります)。医師・助産師の記入欄が設けられているので、入院時に持参できるよう、早めに入手しておきましょう。
クリアファイル
入院中は書類が増えるので、クリアファイルがあると便利。「出生証明書」や「出産手当金支給申請書」など、退院するまで大切に保管しておかなければならない書類もあるので、入院中に使う書類と分けて管理できるよう、最低2枚は用意しておきましょう。
小銭
自動販売機やコインランドリーで紙幣が使えない可能性があるので、小銭は多めに準備しておくのが鉄則。盗難防止のためにも大金は持ち込まないようにしましょう。
入院期間や病院の設備によって必要な額は変わってきますが、わたしの場合はテレビの視聴が無料でコインランドリーは使えず、お金を使う場所といえば自販機と売店くらいだったので、6日間の入院生活で2,000円もあれば十分でした。
充電器
家族に経過を報告したり生まれたての赤ちゃんをカメラに収めてもらったり、出産の前後はスマホを使う場面が多いので、充電器はマストアイテム。コンセントが近くに無いこともあるので、モバイルバッテリーがあるとさらに安心です。
延長コード
入院中はベッドで横になりながらスマホを使うことも多いので、枕元で充電できるように延長コードがあると便利です。分娩室でも使うので、充電器とセットで陣痛バッグに入れておきましょう。
飲み物
陣痛中はとにかく喉が渇きます。病院でも購入できますが、すぐに補充できない可能性があるので、あらかじめ2本くらい用意しておましょう。
ペットボトル(500ml)の水を2本用意しましたが、持参したものは早々に飲み切ってしまい、途中で2~3本買い足しました。
ストローキャップ
ストローキャップは、持っていて良かったアイテムNo.1といっても過言ではありません。これをペットボトルの飲み口に着けておけば、ボトルを傾けずに最後まで飲み切ることができるので、陣痛で動くのがしんどいときでも楽に水分補給ができます。片手でふたを開閉できるので、赤ちゃんのお世話で両手が使えないときも重宝しました。
軽食
病院でも食事は出ますが、提供時間が陣痛の強いタイミングに重なると満足に食べられない可能性があるので、おにぎりやパン、ゼリー飲料、お菓子など、陣痛の波が引いたタイミングでサクッとエネルギー補給できるようなものを手元に用意しておくと安心です。
タオル
たくさん汗をかくので、タオルは2枚くらいあった方がいいかもしれません。病院でも用意してもらえましたが、わたしは使い慣れているタオルの方がリラックスできました。
リップクリーム
呼吸をしたり声を出したりするので、陣痛中はかなり唇が渇きます。院内も乾燥していたのか、すぐに唇がカサついてしまうので、入院中はリップクリームが手放せませんでした。
破水セット
いつ破水が起きても対応できるように、破水時に必要なものが詰め合わせになったものを準備しておきました。陣痛から始まったので使うことはありませんでしたが、これがあるかないかで外出時の安心感が違います。
冷えピタ
出産時に発熱したり産後に胸が張ったりしたときに使うと聞いていましたが、陣痛中は貼る余裕がなく、出産後もマッサージをしたり授乳をしたりすれば胸の張りが落ち着いたので、入院中に使うことはありませんでした。
汗拭きシート
シャワーが解禁されるまで数日かかると聞いていたので、体を拭けるように汗拭きシートを持参しましたが、出産後の処置が終わったタイミングで助産師さんにしっかり汗を拭き取ってもらえたので、今回は使用しませんでした。
除菌シート
コロナ禍の入院だったので念のため用意しましたが、院内の至る所に消毒液が設置されていたので、必要ありませんでした。
入院バッグの中身
続いて、入院バッグの中身を紹介します。
こちらも赤字は病院から指定されたもの、青字は使用しなかったものです。
各アイテムのポイントを見ていきましょう。
授乳ブラ
授乳ブラは病院からもらった「お産セット」に1つ含まれていたので、残り4泊分を持参しました。
入院期間は5泊6日。コインランドリーが使えなかったので、入院日数分の下着が必要でした。
出産後の授乳に備えて、ストラップオープン&フロントオープンの2WAYで使える商品を購入しましたが、個人的にこれは買わなくて良かったアイテムの1つ。カップが大きく開くので授乳はしやすいのですが、フックやボタンの付け外しが面倒で、早々に普通のブラへ戻してしまいました。
息子は音に敏感だったので、フックやボタンを戻すときの「カチッ」という音で起きてしまうことも。洗濯するたびにパッドがずれたり外れたりするのもプチストレスだったので、買うならパッド内蔵型がおすすめです。
授乳ブラの代わりに活躍したのが、ユニクロのブラトップ&ワイヤレスブラ。柔らかな素材で締め付け感がなく、カップを下にずらすだけで胸が出せるので、スムーズに授乳できます。カップが元の位置に戻ろうとするので、最初のうちは手間取るかもしれませんが、手で押さえたり肩紐をずらしたりすれば問題なく使えるので、気になる方はぜひ試してみてください。
生理用ショーツ
「お産セット」に産褥ショーツが2枚入っていたので、ショーツは残り3泊分を持参。新たに産褥ショーツを買い足すか、普段使用している生理用ショーツを持参するか悩みましたが、産褥ショーツは出産当日と翌日くらいしか着用する場面がなかったので、残りの期間は生理用ショーツで問題ありませんでした。
靴下
足元が冷えないように、入院中は足首まである靴下を履いて過ごしました。
一緒に入院していたママさんの中には着圧ソックスで過ごしている人も多かったです。
カーディガン
体温調節ができるように薄手のカーディガンを持参しましたが、院内は過ごしやすい室温に保たれていたので、ほとんど使用しませんでした。
着圧ソックス
出産後は驚くほど足がむくむので、着圧ソックスは必須アイテム。個人差はあると思いますが、足の甲までパンパンになったので、足先までカバーできるものがいいかもしれません。
スキンケアセット
荷物を極力コンパクトにしたかったので、ミニサイズのスキンケア用品(メイク落とし・洗顔フォーム・化粧水・乳液)が詰め合わせになったトラベルセットを購入。メイクをする機会がほとんどなかったので、メイク落としは必要ありませんでした。
化粧品
メイクをしたのは退院時のみ。病院の前で写真を撮るときはメイクをしておきたかったので、必要最低限なものだけ用意しておきました。
保湿クリーム
入院中は赤ちゃんのお世話で手を洗う頻度が多く、さらに院内も乾燥しているので、手がかなり荒れた状態に。保湿力の高いハンドクリームを用意しておくといいかもしれません。
乳頭保護クリーム
乳頭保護クリームは必要か不要か意見が分かれるアイテムですが、念のために購入しておきました。効果があったのかどうかは正直分かりませんが、これで保湿しながら授乳を続けて乳首が切れることはありませんでした。
わたしが購入したのは「ピュアレーン」という商品。授乳に慣れるまでは、母乳をあげるたびにこれを塗っていました。余ったら赤ちゃんや自分のスキンケアに使えるので、買っておいて損はないと思います。
ヘアクリップ
授乳やおむつ替えで前かがみになったときに髪が落ちてくると邪魔になるので、出産後はヘアクリップが大活躍。髪を結べる長さなら、サッと束ねられるものを持っておいた方がいいかもしれません。
流せるおしりふき
経腟分娩の可能性が少しでもあるなら、流せるおしりふきは必需品!出産時に少し会陰裂傷が起きてしまったので、出産後はこれに救われました……。
おすすめの商品は「ネピア おしりセレブWET」。シートが柔らかく、傷にしみることもありませんでした。
アイマスク
頻回授乳に母児同室でまとまった睡眠がとれず、出産後2日目にして寝不足に……。昼間の明るい時間に仮眠をとるときは、視界をシャットアウトできるアイマスクが役立ちました。
使用したのは「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」の無香料タイプ。目元がじんわりと温かくなるので、心地よく眠りにつくことができました。
マスク
コロナ禍の出産だったので、替えが無くならないようにマスクは多めに持参しました。空調で喉がイガイガすることもあったので、濡れマスクがあるといいかもしれません。
S字フック
S字フックはベッドの柵にかけて使用しました。院内で使うエコバッグをかけたり、ベッドで使いたいものを袋に入れてかけたり。いろんな用途に使えるので、2本くらいあると便利です。
エコバッグ
シャワーを浴びる際にバスタオルやパジャマを持ち込まなければならなかったので、入浴セットを持ち運ぶ際にエコバッグを使用しました。大部屋の場合は共用の設備を使うことになると思うので、院内用のバッグを用意した方がいいと思います。
ビニール袋
洗濯物を入れたり、ごみ袋にしたり。100均に売っている携帯用のレジ袋をかばんに忍ばせておくと何かと便利です。
ふりかけ
総合病院の食事は白米が多いと聞いていたので、おかずが足りなかったとき用にふりかけを用意しましたが、産後食を提供してもらえたので、ほとんど出番はありませんでした。
赤ちゃんの退院着
暖かい時期だったので、赤ちゃんの退院服は肌着(短肌着+コンビ肌着)の上にベビードレスを着せるスタイルに。おくるみを用意すべきか最後まで迷いましたが、すぐに車に乗り込んだので、無くても問題ありませんでした。
荷物を増やしたくなかったので、わたしは入院時に着てきたワンピースを着て退院しました。
出産に必要なものを総まとめ!まずは入院準備リストを作成しよう
最後に、今回のお産で必要だったものをチェックリストでまとめてみました。目安数(コインランドリーが使える想定)も記載したので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、以下は必要なかったものです。
すべてのアイテムに言えることですが、使う人もいれば使わない人もいるので、用意するかどうかは荷物の量と相談して決めてみてください。
初めてのお産で不安な方もいるかもしれませんが、病院から指定されているものさえ忘れなければなんとかなります!面会や差し入れが禁止されていなければ、入院中に持ってきてもらうこともできるので、気楽に準備してみてください。